2007年7月10日火曜日

ブルドッグソース高裁判決

ブルドッグソースの取締役会が、スティールパートナーズという投資ファンドの敵対的買収に対して、装備した新株予約権を使った、買収防衛策に対するファンド側の差し止め請求に対して、東京地裁に続いて、東京高裁も買収防衛策を妥当とする判断を行った。手法は、すべての株主に対して新株予約権を与えるが、スティールだけは、予約権の行使ができず、その代わりに会社が予約権自体を適正価格で現金買取をするということらしい。これで、スティールパートナーの10%持分が3%まで希薄化するので、影響力が失われ、経営陣は安泰という話だ。

法律の専門家じゃないので、判決の綾まではわからないが、スティールは濫用的買収者だという判断まで踏み込んだ、素人目には随分踏み込んだ判決だなという気がする。英字新聞のなかでは、Law-abiding(遵法の)投資家に対する大きな痛手と報じているものもあった。

スティールが買収後の事業計画をまじめに提示していないことや、判断に必要な十分な機会を投資家に与えていないことや、過去に、結果を見ると、買戻しというグリーンメール的な実績が多いということで、実質的な判断をしている。

ただこの心証形成の上で、マスコミで無防備なほどに報じられたファンドのトップの「小憎らしい」イメージがかなり大きく影響しているような気もする。どちらかといえば、子供っぽく見える表情で、日本の経営者をEducateするとぶっきらぼうに言うシーンが何度もテレビで報じられていた。

今回の判決が、日本の買収市場にどのような影響を及ぼすかはいまだよくわからないが、外資系ファンドのアプローチには大きな影響を与えるし、そのあたりで、仲介者のビジネスがまた増えるのかもしれないなと思った。